蟲神器 第4弾環境考察 ――「入れない」という選択が完成度を高めるとき

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蟲神器第4弾が発売され、数多くの新カードが環境に追加された。
レジェンドレアを中心に派手な効果や、これまでにない「弱点なし」の無属性虫など、カード単体で見ると非常に魅力的なラインナップが揃っている。

しかし、ウスバカミキリを主軸にした現在のデッキを調整する中で、今回はあえて第4弾のカードを新規採用しないという結論に至った。本記事では、その理由と、唯一議論の対象となったニシキオオツバメガ、そして強化カード枚数の最終判断についてまとめていく。


第4弾の注目カード総評

強い、面白い、だが「噛み合わない」

第4弾のカードを一通り確認してまず感じたのは、

「カードパワーは高いが、既存デッキに自然に入るものが少ない」

という点だった。

例えば、

  • 高コスト帯の大型虫(LR・SR)
  • 条件付きで爆発力を出すカード
  • 無属性による色相性無視の設計

これらはどれも単体性能は優秀だ。しかしウスバカミキリデッキは、

  • 低~中コスト中心
  • テンポ重視
  • 色操作や技制限による主導権確保

という、かなり明確な勝ち筋を持っている。

第4弾のカードを入れるには、

  • 攻め手の再構築
  • 役割の再定義
  • 強化カード枚数の増減

といった構築全体の見直しが必要になり、結果としてデッキの「軽さ」や「安定感」を損なう可能性が高い。

つまり今回は、
「強いカードがない」のではなく、「今の完成形に必要なカードがない」
という判断だ。


ニシキオオツバメガを残した理由

ピン刺しではなく2枚採用の意味

そんな中でも、交換するのが迷ったのはニシキオオツバメガだ。

このカードの評価ポイントは明確で、

  • 相手の虫の色を変える
  • 色依存の有利不利を強制的に崩す
  • 自分の攻撃・除去ラインを通しやすくする

という、環境干渉能力にある。

交換枠の候補としては以下のパワータイプの虫たちだが、どちらも1枚も入れない結果となった。

特に重要なのは、「相手依存のカードである」という点だ。
ニシキオオツバメガは自分の展開を強くするカードではなく、相手の計画を狂わせるカードであり、これはウスバカミキリデッキの戦い方と非常に相性が良い。

また、ピン刺し(1枚)ではなく2枚採用としている理由もここにある。

  • 1枚だと引けない試合が多い
  • 引けなかった時に存在意義がゼロになる
  • 2枚なら「引く前提の戦術」が成立する

ニシキオオツバメガは「刺さる相手には致命的」なカードだからこそ、
狙って引ける枚数が必要だと判断した。


強化カードは5枚か、6枚か

安定か、ロマンか

現在のデッキでは強化カードが5枚採用されている。
ここに第4弾の強化カードを加えて6枚体制にする案も検討した。

結論から言うと、
今回は5枚で維持する

理由は単純で、

  • 初手事故率の上昇
  • 虫が引けないターンの増加
  • テンポ負けのリスク

これらのデメリットが、得られるリターンを上回るからだ。

6枚構成は確かに爆発力がある。
だがそれは「通った時に強い」構築であり、ウスバカミキリの持ち味である再現性の高い勝ち筋とは相反する。

今回は、

  • 安定して動く
  • 毎試合同じリズムで戦える
  • ミスが負けに直結しにくい

この点を優先し、5枚構成を完成形とした。


結論:第4弾は「使わない」ことで活きる

第4弾は決して弱い弾ではない。
むしろ新しいデッキを組むなら、非常に夢のあるカードが揃っている。

しかし、既に完成度の高いデッキにおいては、

新カードを入れない
=構築が固まっている証拠

でもある。

今回の調整を通して、
「何を入れるか」以上に
「何を入れないかを説明できること」
が大切だと改めて感じた。

ウスバカミキリデッキは、今この形で一度完成とする。
第4弾は環境理解のために眺める弾。
次に動くときは、また別の理由が見つかったときだ。

🪲蟲神器デッキ(ビートダウン完成版)第3弾から変更なし

🔹低コスト帯(展開・縛り・下支え)

  1. チャバネカメムシ ×1
  2. アオクサカメムシ ×1
  3. ミツツボアリ ×1
  4. プラチナコガネ ×1
  5. クロカミキリ ×1
  6. グンジョウオオコブハムシ×1

🔹中堅(テンポ・火力)

  1. ニシキオオツバメガ ×2
  2. メタリフェルホソアカクワガタ ×2


🔹フィニッシャー

  1. ウスバカミキリ ×2
  2. テナガカミキリ ×2

📜 強化・術カード

🔸強化(主軸)

  1. 金蚉の甲冑 ×2
  2. 兜虫の甲冑 ×2

🔸防御・粘り

  1. 空蝉の皮鎧 ×1

🔸除去

電気虫の稲妻 ×1


 ◆まとめ

今回、蟲神器第4弾までを通して改めて感じたのは、公式パーフェクトガイドに収録されているカードプールの完成度の高さだ。第4弾までで一区切りついたこのリストを眺めながら、自分のデッキをどう組み替えるか考える時間そのものが、ひとつの遊びとして非常に濃密だった。蟲神器関連の記事はここで一旦区切りとしたい。

特に印象的だったのは、カード単体の強さではなく、「このカードは自分のデッキ思想に合っているか?」という視点で選別していく工程だ。強そうだから入れる、流行っているから入れる、という判断ではなく、自分はどういう勝ち方が好きなのか、どういう試合展開に快感を覚えるのかを、カードを通して言語化していく感覚があった。

今回はAIと相談しながら構築を進めたが、これが想像以上に新鮮だった。カードを1枚ずつ確認し、「なぜ入れるのか」「なぜ入れないのか」を問い直していく過程は、単なるデッキ調整ではなく、自己理解の作業に近い。自分が安定を重視するタイプなのか、ロマンを追いかけたいのか、相手を妨害する戦術が好きなのか――そうした傾向が、自然と浮かび上がってくる。

また、AIとの対話は「正解を教えてくれる存在」ではなく、「考えを整理するための壁打ち相手」として機能した点も大きい。提案をそのまま採用するのではなく、違和感を覚えた部分を掘り下げたり、逆に自分の直感を肯定してもらったりすることで、デッキに対する納得感が格段に増した。

蟲神器は、カードゲームでありながら、こうした思考のプロセス自体を楽しめる余地が大きいタイトルだと思う。公式パーフェクトガイドという「全体像」を手元に置き、自分なりの軸を持って構築に向き合う体験は、想像以上に深く、長く楽しめる。

もし、デッキ構築に行き詰まっている人や、何となくカードを入れ替えているだけになっている人がいたら、一度このやり方を試してみてほしい。
カードリストを眺め、AIや誰かとの対話を通じて、自分のデッキと向き合う。
きっと、蟲神器というゲームの見え方が、少し変わるはずだ。

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